オルゴールと蓄音機の発明 〜ネット・オルゴール博物館〜

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● オルゴールと蓄音機の発明

ゼーベン

 オルゴールが100年前に全盛時代を迎えたその真っ直中の1877年にアメリカでトマス・エジソンがフォノグラフと言う蓄音機を発明しました。

 「多くの発明の中で最も感動した発明だった」と後にエジソンは述懐しています。「身体の中から突き上げる喜び」 とエジソンは表現しています。それほど当時画期的な発明でした。

 音の文化の上で、時代が大きく変わることになりました。

 1898年にはスイスのエルネスト・パイヤードはエコフォンというやはり筒型の録音・再生機を世に送ります。蓄音機は人の声を録音することが出来ました。長時間の録音と演奏が可能でした。

 オルゴールのように段々遅くなる欠点を持ちませんでした。人々の関心がオルゴールから蓄音機に移って行きます。オルゴール職人には過酷な時代となりました。

 1930年代店頭から大型のオルゴールが消えるとほとんどのオルゴール職人が姿を消し、時代は電気の音の世界へ流れ込み、ラジオの普及から、さらにテレビへと大きな潮流をつくりました。

 オルゴールが王侯貴族の愛玩物となり、多くのオルゴールファンを生み、コレクターを創りながら優れたオルゴールを造る職人が皆無となります。それだけ蓄音機の発明の影響が大きかったことを物語っています。

 ひと頃300人とも500人とも言われ、優れた音楽集団だったオルゴールの職人達は、小さなオルゴールのムーヴメントを造るメーカーに、トーレンツという蓄音機メーカーに、事務機器メーカーのオリベッティなどへ、移って行ったのです。
photo:エコフォンAll'epoca delle Scatole musicali

   

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